2007年05月27日

安藤美姫のすごさ

安藤さんの演技を初めて見たのは、たしか4年前くらいだったと思う。その時に、「ああ、この人はいつか世界女王になるだろう」と、確信に近い形ではっきりと思ったことを覚えている。これは自分には先見の明があるって自慢したいんじゃなくて(正直その時僕は今ほど真剣にスケートを見てなかったし)、それくらい安藤さんの才能というかオーラがすごくて、わかりやすいものだったっていうことです。今より全然いろんなことが雑だったけどどのエレメンツもそつなくこなしていたし、何よりもほとばしる何かキラキラしたものがあって、「この選手はこれからもどんどん伸びる」ってたくさんの人が思っていただろうし、城田氏が期待をかけてトリノ代表になんとかおしこんだのもよくわかる気がする。

ちょっと話はそれるけど、スケートを好きでじっくり見てる人なら誰でも、年齢や柔軟性や飛んでるジャンプを総合的に判断して「この選手はここからこのくらい伸びそうだな〜」ということがなんとなくわかるものだと思う。まあ、それは必ずしも当たるものではなくて、中野さんみたいにハタチから急激に伸びてきたり、これはいくな!と思った選手が怪我とかいろんな都合でどんどん失速してしまったり、大会で神のいたずらとしか思えないようなどんでん返しが起こったり、まあ、何が起こるかわからないところがフィギュアスケートっていうスポーツの面白いところですよね。

その何が起こるかわからない世界の中で一時失速してしまった安藤さんですが、本人が「スケートが好きという気持ちがなくなってしまった。変なアナウンサーにライトショルダ−ブラックローズとか言われるし」と語った(後半ウソ。「変なアナウンサーにライトショルダ−ブラックローズとか言われるし」とは語ってない)04−05シーズンでもちゃんと全日本優勝してるし、ショートの「ジプシーソウル」(ライトショルダ−ブラックローズ)は、本人の持つ華やかさを生かしたいいプログラムだったと思う。「スケートを好きだという気持ちを取り戻したい。でも変なアナウンサーにアダルトミキティマイファニーバレンタインとか言われてウザい」と語った(後半ウソ。「変なアナウンサーにアダルトミキティマイファニーバレンタインとか言われてウザい」とは語ってない)05−06シーズンもジャンプがあまり決まらなかったせいで一見ボロボロの演技ばっかりに見えたけど、それでも「何かすごいもの」は失ってなかった。あの一時期のひどい安藤美姫バッシングは、実は、「もっとやれるはずなのに、やれることは目に見えてるのに、なんでやらないの?」っていうもどかしさが元凶だったのではないか、と思う。何かやんなきゃいけないってわかってるのにいろんな理由つけてやんない人って、きっと安藤美姫選手のこと、嫌いだったでしょうね。

だからトリノ15位からたった1年で世界フィギュア優勝なんて別に全然不思議なことじゃなくて、ただ、天才が、荒川さんやモロゾフや門名コーチに触発されて、本気出しただけ。安藤選手のすごさは、これからもまだどこまで伸びるか見えないところ。浅田真央も同じ。だって天才が本気出してるんだから、どこまで上に行くのか見えないのは当たり前ですよ!しかも本人はそのことに無自覚っぽいのがおもしろい。心の深いところでは上を目指してないっていうか、深さを目指してる感じがあるのです。浅田真央は何よりも上を目指すことが第一な感じがする。そういう安藤さんみたいな深さを目指してる人が、モロゾフみたいな上に目を向けさせるように仕向けるのがうまい人と組んだら、もう鬼に金棒ですよ。06−07シーズンの安藤さんの快進撃はそういうことだと思います。

でも、安藤選手っていろんなインタビューとか見たり読んだりしても、それ、言わされてるだけでホントはそんなこと思ってないんじゃないの?みたいなところが多々あって、何を考えてるのかちょっとわからなくて(たぶんすごくムラがあるんだと思う)、底の見えない、面白い人だなあと思います。

世界フィギュアでいろんな人が「安藤美姫、あの抑えた演技で優勝〜?」って思っただろうけど、「あの演技で優勝〜?」ってことは、裏を返せば「あれよりもっとすごい演技できるんじゃないの〜?」ってことであり、本当にそうなったらどうなっちゃうの?ミキティどこまでいっちゃうの??なんて思うと楽しいですよね。
posted by dawa at 03:08| フィギュアスケート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする